自身にとって4作目、およそ12年ぶりとなるリーダー作品がここに完成しました。
これまでの流れを踏襲したギターインスト曲も収録されておりますが、それはなんと一曲のみ。
今作ではヴォーカリストに焦点を当て《人の持つ声のエネルギー、そして様々な歌声の魅力を余すところなくリスナーの皆さまにお届けしたい》
という思いのもと、創作活動をスタートさせました。
世の中のほとんどの歌には言葉があります。そこにある言葉は、歌い手によって聴き手に伝わるニュアンスや説得力にも違いが生まれます。
そういったことから、この度独自に発掘したシンガーたちの深層にあるものを伺い知るべく、まず彼らが日頃抱いている思いや、今誰かに伝えたいこと、
過去の思い出、未来について、はたまた空想物語に至るまで、彼ら自身から“言葉”を得るところから始まりました。
その言葉たちが集まるのを待つ間、僕の方ではそれぞれの歌声を研究し、初対面の際に彼らから取材しておいたそれぞれの音楽のルーツや憧れの
シンガーの楽曲を聴き込むことで、より彼らの良さを引き出す準備を整えてゆきました。
集まってきた言葉たちは、僕の想像を遥かに超えるものでした。依頼する際には「箇条書きのようなものでも、
断片的なものでも構わない」と伝えてあったので、次に「歌詞然としたもの」を構築する行程が待っているものとばかり思っていましたので、
その初期段階でのクォリティの高さに感銘を受けました。
(完成形の歌詞については、全ての楽曲において少なからず僕のエッセンスが盛り込まれておりますが、
その割合については“共作であるか否か”でご判断いただけたらと思います)
今回、敢えて臨んだ「歌詞ありきでの作曲」というアプローチは、僕の長き音楽人生においてほぼ初めてのチャレンジでもありましたが、非常に個性的で興味深い詞が寄せられたことで、ユニークな曲調であったり思いも寄らぬメロディラインや曲展開が湧き出てくる原動力となりました。
このケミストリーには僕自身大いに驚いています。
そして一曲一曲、膨大な時間を費やしながら完成させていったのです。
「そのシンガーの良さが最大限引き出せるものとは何か?」と試行錯誤を繰り返す今作の制作過程は、
僕にとってかけがえのない経験となりました。
もちろん楽曲、プログラミングを含めたアレンジワーク、コーラスワーク、コードワークからギタープレイ、
そしてパーカッションプレイに至るまで、アルバム『Singer』において
“田川ワールド”が大展開されていると自負しております。
音楽ファンはもちろんのこと、歌モノ好き、そしてギター好きな方々に是非とも一聴していただきたい一枚です。
田川 伸治
- 『全国各地で応援してくださる皆さまへ届けたい』そんな思いで今の僕のストレートな気持ちを歌にしてみました。
僕から皆さまへ のメッセージ・ソングと受けとめていただけたらと思います。
僕自身、今まであまりこういった「8ビート・シャッフル」のナンバーを生み出してこなかったこともあり、かなり新鮮な気持ちで取り組みました。と言いつつ、実はこの楽曲のメロディラインは20年以上も前に譜面に残していたものなのです。(よって譜面がほんのり茶色く退色していました...)それを元に、イントロのコーラスワークや全てのコードワークを「今の自分流のアプローチ」で再構築しました。
歌詞表現のアプローチについては「とにかくことわざ満載にしてみよう」というところで進めてゆきました。サブタイトルも含めると、 一曲の中に実に14ものことわざが登場します。ところどころモジってみたり、海外のことわざなども含まれております。
さて皆さま、幾 つご存知でありましょうか?(僕自身、必死で勉強しました...笑)
ギターソロは、一度やってみたかった「最初から最後までツインギター」というアプローチ。個人的にこういうのは大好物です。
(笑... 弾くのは大変ですけど...)
- 繊細かつ実直で伸びのある歌声が持ち味の彼のヴォーカル・スタイルを、壮大なストリングスで包み込む音像を目指した一曲。
必ずしも彼の実体験を元に描かれたものではないと思うのですが、世間一般で言われる「女性はキッパリと忘れ新たなる恋を目指 し、男性は過去の恋を引きずりながら生きる」をそのまま体現しているかのような世界観ですね。(苦笑)
僕のどこが嫌いになったのか、別れを決めた決定的な理由も告げられないまま、ある日彼女は一枚の手紙だけを残して出ていった ...。君以上の人などこの世には存在しないと感じ、君との永遠を確信していた中で、ある日突然訪れた別れ。
やがて時が経つにつれ独りでいることにも慣れたけれど、時が進めば進むほど、それぞれの思い、目に映る景色が変化してゆく。それを徐々にでも受け入れていかなければならないと感じる今。そんな切ない男心を描いた作品です。
ギターソロでは『その未練をまだ完全に拭い去ることができないままでいる自分』を表現することに徹しました。(笑)
- 前曲とは打って変わって低音が魅力の彼ですが、楽曲の世界観は同じく“田川ワールド”大展開といったところでしょうか。
テーマは『愛とは何か』
いわゆる「あるひとつの男女の姿を描く」というよりも、これまで生きてきた中で経験した個人的な恋愛観であったり、客観的に見てきた様々な恋愛を通じて「本当の愛とは一体何なのだろう?」と自問自答する様が描かれた一曲ですね。
なぜ愛というものはここまで人の心を左右してしまうのか、その愛が突然消え去ってしまった時の怖さ。だから人はさらなる愛を求め、今の恋する気持ちが途切れないよう一生懸命になれる。時には疑心暗鬼になり彷徨うこともあるけれど、本当の愛を探求すること こそが生きる素晴らしさであり、生きる意味であり、またそれが人間というものであるといった哲学的な歌詞表現であると僕は捉えて います。
そういった様々な葛藤の中で生きる姿を、多種多様な音色の組み合わせで表現してみました。ギターも今作最多のトラックを使用 していると思います。あと、コーラスワークもかなり“田川てんこ盛り”な感じです。(笑)
- 物語のテーマは『叶わぬ恋』
僕が想いを寄せる君。だけど今、君が好意を抱いているのは自分とは別の男性。そんなことは分かってる。だからと言ってこの気持ちを抑えることはできないし、諦めたくはない。君の本心を知るのは正直怖いけれど、この想いだけはどうしても君に伝えておきたくて。
帰り道、君をカフェに誘ったものの、結局最後まで「好き」という言葉を口にすることができなかった。
他愛のない話はあんなにたく さんできたのに......
その日の夜、君からメールが届いた。それは、その他愛のない会話にあった『すごくキレイな並木道が見下ろせる丘』の話の続きだった。
まだ告白さえできていないし、ましてや僕の方から「その丘へ行こうよ」と誘ったわけでもない。ただ、その時交わした会話をまだ気にかけてくれていたことが何より嬉しかった。
まだ恋が始まったわけじゃない。君が僕のほうを振り向いてくれる日はこの先も永遠に訪れないかもしれない。
だけど、この先も ずっと君のことを想い続ける自分でいるよ。
僕の中だけの“Secret story”
サウンド面では「この胸の鼓動を抑えきれない」焦りにも似た感情を表現してみました。
囁き“Secret story”ヴォイスは田川が担当しました。
あなたは誰にも言えない“Secret story”を思い描いたことはありますか?
- もし可能であれば、この曲の最後の一行はコイン・スクラッチしないと見れないような加工を施してしまいたいくらいでした。(笑)
それほどまでに、この歌は聴き進めるにつれ「君への切なる想い」を読み解いていくことができると思います。
僕が最初にこの詞を読んだ時には「まあ仲のよろしいことで」から始まり、「これは相当な愛だな」と来て、「お互いどんなに年を取っても最後まで君を守り抜く覚悟でいるんだな」と感じ、「やがては僕の方が先に逝ってしまうだろうけれど、それでも君のことをずっと 見守っているから」という境地であることに最終盤でようやく気づかされました。
正直「ハッとする」どころではなかったですね...。一般的に男性の方が寿命は短いとされていますから、こういう考えに至るのは別段不思議ではないものの、僕がそれを思うのならまだしも、まだその半分しか生きてきていない彼から「道の終わり」という言葉が出て きたことに深い感銘を覚えました。
帰り道に川辺でひとつ詞を書いて帰ることが日々の習慣となっている、彼の歌声にどうぞ遠慮なさらず酔いしれてください。(笑)
- 心配しないで、不安になんて思わないで。誰よりもあなたのそばにいるから。
そんな想いで描かれたこの歌詞は、彼女のおばあちゃんが「寂しくて夜寝るのが怖い」と時折話していることから、おばあちゃんを勇気づけたいという想いで書いたのだそうです。ですので、もっとソフトな曲調をとも考えたのですが、彼女の胸に秘めた想いをその歌声でストレートに解き放ってもらいたいという僕からの願いを込めて、アコースティック・ギターを軸としたブルージー&リズミックなスタイルの作風に仕上げさせていただきました。
彼女の歌声にはパンチ力もあり、細かい節まわしなどもなかなか真似(説明)できないような要素を含んでいるのですが、僕が最も 特徴的だと感じたのは、各フレーズの切れぎわ・終わりぎわ。文章で言えば句読点にあたる部分。ビタっと止めたかと思えば、繊細な ヴィブラートを掛けながらそっと消え入ってみたり、強めてみたり。語尾を上げ終わったり、逆に下げ終わったりといった表現方法の ヴァリエーションの豊かさに感心させられます。一度歌ったテイクを聴いた瞬間に、次のテイクでどうアプローチすればもっと良くなるのかが自身で見出せていることも彼女の優れた部分と言えるでしょう。
歌詞の話に戻ります。サビの出だしで登場する『思色』これは「おもいいろ」と読みます。着物にお詳しい方ならご存知かもしれませんが、300もある日本の伝統色のひとつで、ごく僅かに黄味を帯びた赤色。旧仮名遣いで「おもひいろ」、その「ひ」を緋色や火色(いずれも同様な赤色)にかけた文学的表現であるようです。季語として捉えるのは非常に難しいのですが、万葉集で「思草(おもいぐさ)」と、秋の季語として詠まれたものがあり、そこから『思色風はそっと』を「より切なさを含んだ秋のそよ風」と僕は解釈しました。
この想い、きっと大好きなおばあちゃんに届くと思いますよ。わりと近くに住んでおられるようで、しょっちゅう会いに行っているそうですが。(笑)
- 「灰になっても廃にはなるな」とはよく言われますが(言わないか...)、『いつ死んだって構わない』そんなことが言えるのもきっと「寝て起きればまた明日が来る」ことが分かりきっているから。これが若者であればなおのこと当たり前だと感じるでしょうし、僕も実際そう思って生きていましたから。
「穴があったら入りたい」と、こちらは実際によく言われますが、そんな時「あぁ死にたい死にたい~!」ってつい口にしてしまいます よね。でも実際にそうしたら...と言いますか理由は何であれ、自ら命を終わりにしたその瞬間から、大好きなあなたを一人にしてしまい、その変顔ポーズだってもう見れなくなってしまいます。もちろんこれ以上あなたとの思い出が増えることもありませんし、自分がいなくなった後のあなた、そしてみんなの様子を見ることだって当然できません。
「生きることの意味がわからないから」「こんなに生きることが辛いんだったら」 自ら死を選ぶ理由はこの他にもあるでしょう。でも、今この瞬間死んだとしても、たとえ命を全うしたとしても、宇宙レベルで鑑みたらそんなのは誤差でしかないわけで...。だったらどんなに苦しくても辛くてもその“誤差分”くらいは生きなきゃダメですし、生きれるはずなんですよね。
『心残りがあるとしたら...』それを一度も考えたことのない人なんていないと思うんです。そう思うことでやり残したことがまだまだ たくさんあることに気づけますし、もうちょっとだけ頑張ってみようとも思える。
ぜひこの曲で、エネルギーに満ち溢れた彼女からの、そして僕からのメッセージを感じてもらいたいですね。特にそこの病んでる人 に。
「灰になって」は敢えて「High(ハイ)になって」と聴こえるようにしました。エチケットみたいなものでしょうか。
- シンガーたちのレコーディングを終え「残すは各曲のトラックダウン(TD)」というタイミングの数週間前に取り組んだ曲です。(正確には、数曲のTDはすでに終えていたでしょうか) 曲順としては中間地点やや後方といったところですが、制作的にはファイナリストですね。
その理由はふたつありまして、ひとつは「何せ迎えたヴォーカリストがすごく多かったもので、ついつい後回しになってしまった」こと。(笑)もうひとつは「アルバムの全体像がハッキリし、その曲順までイメージできた段階で、かつミドル・セクションに相応しい楽曲に仕上げたかった」ことにあります。
そういった背景もあり、自然とファンキーなカッティングであったり、5声からなるギター・オーケストレーションであったり(ちなみに“Shinin' Girl ~遠くて近きはキミとの仲~”の冒頭も5声のハーモニーです)、アウトロで聴かれる完全なるインプロヴィゼイション (即興)ソロなどをフィーチャーするなど、他では聴かれない要素を盛り込むことを心掛けました。大掛かりにシンセサイザーやサンプリング音がプログラミングされたバックグラウンド・トラックも、他の曲たちとは大きく異なる部分かもしれませんね。
アルバムタイトルが“Singer”だけに『歌うギター』を目指した面も大いにあります。
アルバムのブックレットにおける歌詞カードでは非掲載扱いとさせていただいた(ご覧の通りの殺風景な字面だったもので...) コーラスパートの英詞(及び日本語訳)をここに載せておきますね。
In my mind(心の中で)
Nothing to lose(失うものは何もない)
Don't turn away(振り返らないで)
Give it everything you go(t 最善を尽くせ)
In my mind(心の中で)
In my Heart(心の中に)
In my mind(心の中で)
- 高いだけでなく、骨太さも持ち合わせた彼のハイトーン・ヴォイスにはやはりこれでしょう!(笑) と言いますか、彼自身がハードロック大好き男子なんですね。さらに“大のアニソン好き”でもあるそうで、正直なところ僕はその辺りには疎いのですが...どことなくそういったアニメ&ゲーム音楽的要素を盛り込みつつ、演奏自体はトラディショナルなハードロックをいたって大真面目にやっております。
(※ツーバス・ドコドコ祭り)
特に間奏のギターソロ・パートだけで1分間もある(その間ヴォーカリストはご休憩zzz)なんてのも70~80年代のHMシーンにおいては日常茶飯事でしたね。
実際にはいかほどかは分かりませんが、速いパッセージに関しては一応「世界最速」を目指しました。弾き終わった後、ピックの先端と左手の指先がほんのり焦げ臭かったことを昨日のことのように覚えています。(笑)正直申し上げまして、全曲このテンションでは(求められたとしても)通せません!(笑)
ちなみに...リズム・レコーディングの前日、ドラムのHIDEからは『“BYAKU-YA”パート2ですね♪』と興奮気味に評されましたが、翌日のレコーディングが終了した直後、彼はスッカリ灰になっておられました。(完)
- 2018年4月18日に開催された僕のバースデイ・リサイタルに今作のシンガーたちをご招待したのですが、彼も駆けつけてくれた一人でして、この曲『スワロウテイル』の主に1番(ワンコーラス目)の歌詞は、その時の情景や彼自身がそこで抱いた思いを当日の深い時間に夜空の下で書き上げたものなのだそうです。2番では彼自身のことも織り交ぜて描かれており、スワロウテイル=自分(和也)であるとのこと。ですので『真夜中のスワロウテイル』は『真夜中の僕』と置き換えることができます。
読書を趣味とし、村上春樹作品をこよなく愛する彼ならではの文学派な一面が色濃く滲んだ、置換表現豊かな作風には目を見張るものがあります。
ここからは歌詞に対する、あくまで僕なりの解釈ですが『忘却の彼方にあった昔の出来事や情景が、目の前の事象がきっかけとなり一瞬にして鮮明に思い出される』というのは誰しもが一度は経験することだと思うのですが、それが彼にとって田川伸治のライヴ...いや、リサイタルだったのでしょう。「誰かのため」というのはご両親や好きな人のためとも受け取れますが、具体的に“誰”というわけではなく、おそらく彼は少しだけ自我を抑えて生きることを選んできたのでしょう。その方が、人としょっちゅう衝突することを考えればずっと楽な選択肢ですから。
そして、少なからず挫折感を抱いた過去も「砕けたあの日の想い」から連想できますし、「何度も 何度も 芽を出す」からは、何があっても歌だけは諦めなかった自身を表現しているかのように思えます。それらが良き経験となり、歌い手としての今の自分を導き育んでくれたことへの感謝の気持ち、そしてこれが「ちょっとした笑い話」にできるほど軽い話でもないという思いも見え隠れします。
僕の能力で考えられるのは残念ながらここまで。まだまだです......。かと言って「これはどういう意味?」と直接本人に聞くこともあまりしたくないんですね。なぜなら僕も含め、この歌を聴いた人それぞれが自分の過去や懐かしい情景と向き合うことを自由に楽しめる“余地”を残したいからです。これこそが歌の良さであり、真髄だと感じます。
弦楽器はアコースティック・ギター 一本のみ。チャクチャ(木の実を乾燥させた振りもの系の楽器)などを用いて、風で草木が擦れ合う感じ、鳥たちが羽ばたく様子、小川のせせらぎなどを表現しました。
- 僕自身、YouTubeをほとんど観る機会や習慣もなく、限りなく縁遠いものだと思っていたのですが、縁あって“プリンセス姫スイート TV”さんに楽曲提供させていただく機会がある日突然訪れました。この曲の動画が配信される3ヶ月前のことでした。候補となっていた楽曲テーマは様々で、その中のひとつに「ご飯の食べ方」という題材があったのです。「これは面白そうだ」とすぐにピンときまして早速書き上げた...わけではなく、まず食事のマナーなどを学習するところから始めました。その際に「箸使いに関するマナー」特に“お行儀が良くない”とされるものがこんなにも数多く存在することを知りまして。しかもその各ネーミングが面白い...と言ったら語弊がありましょうか、非常に興味深かったんですね。俗に言う「ロックオン」ってやつです。(笑)
しかしながらそれらを全て一曲の中に盛り込むのは至難の業だと悟る中で、ラップスタイルで網羅するアイディアが浮かぶと同時に、『“ねぶり箸”と“箸渡し”だけはどうしても演歌調で歌いたい!』という我が衝動を抑えることができませんでした。(大笑)
そこから完成するまでは早かったですね。ちなみに制作過程の最初から最後まで『子供向けに』ということは一切考えて作っておりません。(笑)ただ僕自身が純粋に“面白い”と思うものを作っただけなのですが、結果的にはとても喜んでいただけてホッとしました。
その後、僕のあまりに行き過ぎた言葉遊び(笑)を制御する担当として、プリ姫ママに『子を思う母親の愛』であったり『ご飯をいただけることへの感謝』といったエッセンスを注入していただいたおかげで、スパイシー&マイルドな作品に仕上がりました。
オリジナルでは“もとちゃん”が明るく元気に歌っておりますが、今作では僕の歌ったヴァージョンをリミックスして収録させていただ きました。
- Kickin' Back(キキンバック)=気楽な感じでいこうよ
皆さま、子供の頃『靴飛ばし』なる遊びをやられたことはおありでしょうか?
“両足で立った状態”で行う場合と“ブランコに乗りながら”のどちらがポピュラーなのかは定かではありませんが、僕は(そして作者の優人も)後者のブランコ派でありました。
この遊びをご存知でない方のために念のためご説明しますと『履いている靴を蹴り出して明日の天気を占う』というシンプルな遊 びです。遠くに飛ばすのは“競技扱い”です。(笑)
「あーした てんきに な~ぁれ!」の「れ!」のタイミングで片方の靴を(ほどよい勢いと角度)で飛ばします。靴が表向きなら明日は晴れ。裏向きになってしまったら残念ながら雨。そして横向きになったら曇りという具合です。ただ、これをみんなで遊んだ(占った)場合、大抵翌日は「晴れのち雨、時々曇り」という天候になります。(笑)
先述しましたが、彼がこれを知って(やって)いたことにまず驚きました。今現在はどうなのでしょうね? やはり「危ないから禁止!」とか「履き物は大切にしましょう」などと言われてしまうのでしょうか。そのことを肯定も否定もいたしませんが、僕自身、子供の頃の楽しかった思い出のひとつとして残っています。
「褒められて伸びる」とはよく言ったもので、子供の頃はほんのちょっといいことがあっただけでその日はずっとハッピーでしたし、 ほんのちょっと褒められただけでお利口さんになった気分になれたものでした。そして「じゃあ今度はもっと褒められることしよう」って頑張れましたし、背伸びもしました。案外、子供の方が大人よりもそういった目標設定が上手なのかもしれませんね。
身近にある現実的な目標を定めて、それをクリアしていくことで人は成長してゆく。達成困難な目標に挑むことは決して悪いことではありませんが、ひとつひとつ階段を上っていくことの大切さをこの歌から感じます。
昨日よりもっと輝けるよう、今日一日を精一杯頑張りましょう。そして明日は今日よりもさらに輝けるよう、みんなで歌いましょう!